この記事ではフロー理論について紹介します。
フロー理論はご存じでしょうか?「フロー」とは「没頭している状態」のことを言います。
良くスポーツ選手がボールが止まって見えるなどとコメントをすることがありますが、あれはフローの中の一つでゾーンと呼ばれているものです。
フローにも何種類かあるのですが物事に没頭している状態はフローです。
今回はそのフローについていろいろと紹介していきたいと思います。
はじめに
こんにちは 悩みや不安を前向きな行動に変える内省の専門家のタカシユウトです。
組織論、特に内省についての研究をし、ウェブサービスの開発やワークショップの開催をしています。
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フロー理論
日々のパフォーマンス、特に仕事におけるパフォーマンスを上げるにはフロー(没頭状態)をいかにコントロールできるかが大きなポイントです。
- フローとは何か?
- なぜフローが大切なのか?
- フローに入るためにはどうすればいいか?
この記事ではこういった内容についてまとめていきたいと思います。
フローとは何か?
目標が明確で、迅速なフィードバックがあり、
そしてスキル(技能)とチャレンジ(挑戦)のバランスが取れたぎりぎりのところで活動している時、
われわれの意識は変わり始める。
そこでは、集中が焦点を結び、散漫さは消滅し、時の経過と自我の感覚を失う。
その代り、われわれは行動をコントロールできているという感覚を得、世界に全面的に一体化していると感じる。
われわれは、この体験の特別な状態を「フロー」と呼ぶことにした。
「M.チクセントミハイ (2010),フロー体験入門 - 楽しみと想像の心理学-, 世界思想社」
フロー研究の第一人者であるチクセントミハイ氏はこのように述べています。
「松下幸之助社員を夢中にさせる経営 - 「フロー理論」から最良の組織を考える」より作成。
この図が表現しているようにフロー状態を保つためには適切な難易度の課題に対してチャレンジできていることが大切です。もし自分の能力を大幅に超えている場合は没頭ではなく不安な状態に陥ります。逆に能力よりも低い課題に取り組んでいる時は退屈な状況となります。
個人能力を見極め適切な難易度の課題に対して取り組むことでフロー状態になり、高いパフォーマンスが発揮できます。そして何より、フローに入っている状態は楽しさを生み出します。そしてフローの中での取り組みは自分の限界を引き上げ成長をけん引していきます。
フロー理論研究の第一人者であるチクセント・ミハイ氏はフロー理論を幸福の追求としてとらえています。真の幸福すなわち自己実現をするために、差異化(個人の潜在能力を最大限に発揮して挑戦すること)と統合化(社会に貢献したいという願いを持つこと)を繰り返して徐々にステップアップしていくことで自己実現を目指します。
なぜフローが大切なのか?
ではなぜフローが大切なのでしょうか?
前提として心のストレスがある状態はパフォーマンス低下に直結します。 特に仕事においては仕事の領域においてストレスとなる要因は結果のために働くというマインドセットで行動することです。
ここで注意してほしいのは結果にコミットしないということではなく、結果を出すことを目的化してしまうと、結果を達成しなければいけないというプレッシャーが大きくストレスになりやすいということです。
結果ではなくその先の目的を意識して仕事をしていくことができれば、結果は自然とついてきます。目的を意識するためには心の状態をいつも整えて目の前の課題に集中することが大切です。
また、目の前に課題が発生した時の捉え方にも意識を向ける必要があります。まずは起こった状況を肯定し、学ぶべき面を見つめましょう。
そして自分の成長チャンスだと捉えて課題解消までの目的を捉えることが大事です。目的を意識して取り組むことでフローに入りやすくなり、その結果としてパフォーマンスはついてきます。
つまり結果を追うのではなく目的を追求する姿勢が心の状態を高め、フローへと導いていきます。
結果に焦点を当てることをスタート地点としてしまっている状態を「結果エントリー」と呼びます。 逆にまず心にフォーカスする状態を「心エントリー」と呼んでいます。
初めに結果を追求するのではなく、まずは心に焦点を当てる。心が上向きな状態で物事に取り組めていたら、最良のパフォーマンスが自然と発揮されるということがポイントです。
フロー状態の感覚
ではフローに入ったときにはどのような感覚になるのか?
- 集中が深化する 集中力が増して目の前のことだけにフォーカスできている状態。
- 現在だけが重要となる 過去や未来のにとらわれず今この瞬間だけを意識している状態。
- 自分及び状況をコントロールする 自分自身と置かれている状況をコントロールできている感覚。
- 時間間隔が変化する 時間を忘れて目の前のことに取り組める感覚。
- 自我が喪失する。 我を忘れて没頭している状態。
フロー状態はこのような感覚になると言われています。 このような状態にあるときは非常にパフォーマンスが高いものとなります。 また、フローの後には充足感や幸福感が訪れます。
フローの3段階
フローには段階があると言われています。
- マイクロ・フロー
注意を集中させて夢中になっている状態。ゲームに熱中しているような場面。 - ゾーン・フロー
超集中状態。スポーツ選手がボールが止まって見えるなどの感覚はこの状態。 - ディープ・フロー
自我意識を完全に超越した状態。
こうしてみると、ゾーン・フローやディープ・フローはなかなか体験するのが難しいかもしれませんが、マイクロ・フローの状態はみなさんも経験があるのではないでしょうか?
フローに入るための条件
フローに入るためには、個人、仲間、そして環境の条件揃っていることがポイントだと捉えています。
個人の視点
まずは個人レベルでの視点です。
- 明確な目標設定
- 迅速なフィードバックがあること
- スキルとチャレンジのバランスが取れていること
フローに入るためにはこれらが整っていることが必要です。 まずは目標をクリアに、そして適切な難易度の課題に挑戦し、すぐにフィードバックをもらえる状況を整えることが大事です。
仲間の視点
次に仲間の視点です。
- 尊重する
- 応援する
- 感謝する
仲間のフロー状態を支えるためにこれらのことが必要です。 仲間がやろうとしていることを尊重し、応援しましょう。そして日々の感謝を忘れずに。
全員でフローの状態を支えあって燃える集団
を作っていきましょう。
環境の視点
最後に環境の視点です。フローを発揮するためには集中しやすい環境があるということがやはり大事です。
スポーツの世界ではホームで試合をするほうが結果が良いということが言われていますが、それは仲間からの応援という面ももちろんあるのですが、それだけでなく、普段からやり慣れている環境であることはやはり見逃せないポイントだと思っています。
そして、環境を作る上で大切なのは整理・整頓・清掃・清潔であると考えています。
- 整理
- 整頓
- 清掃
- 清潔
集中するために必要のないものは目の前から見えない状態にしておくことが、フローに入りやすくするための環境面での条件だと思います。
まとめ
以上です。今回はフロー理論について自分の考えを交えながら紹介しました。 では簡単にですがまとめです。
- フローとは物事に没頭している状態のこと。
- フローを追求することは幸福を追求すること。
- 個人、仲間、環境の視点でフローに入りやすい状況を作ることが大切。
感想、コメントお待ちしております。ありがとうございました。
Appendix(付録)
「フロー理論」について学びが深まる参考ページ
- 『自分の“心”は自分でコントロールする』~結果エントリーからの脱却
「フロー理論」について学びが深まるおすすめ書籍
フロー理論の理解をより深めたいという方におすすめの書籍を紹介します。
松下幸之助 社員を夢中にさせる経営 「フロー理論」から最良の組織を考える
フロー・カンパニー“飛躍し続ける個人と組織に生まれ変わる法則”
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