「ティール組織」と「アメーバ経営」 の意外な関係とは!?

組織論

この記事では近年話題のティール組織について紹介します。一人ひとりが経営者マインドを持って自律的に動ける組織。 こういう組織を目指そうという場合には役に立つ組織論です。ぜひこちらの記事をご覧ください。

はじめに

こんにちは 悩みや不安を前向きな行動に変える内省の専門家のタカシユウトです。

組織論、特に内省についての研究をし、ウェブサービスの開発やワークショップの開催をしています。

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「ティール組織」とは

ティール組織を一言でいうと「メンバーそれぞれが経営者マインドを持って自律的に行動する組織」です。

ティール組織においては、リーダーは役割でしかなくメンバーそれぞれが組織にとって最適な行動は何かを考えて実行することが求められます。

「ティール組織」はどのように作られるのか

しかしティール組織は一朝一夕にできるわけではありません。ひとつひとつ段階を踏んではじめてティール組織に到達することができます。ティール組織の理論ではこのような組織の形態変化を色の変化として表現しています。

それがこちらです。

ティール組織

(画像 https://blog.noh-jesu.com/entry/2018/12/02 より)

衝動型組織(レッド組織)

衝動型組織(レッド組織)は力による支配を前提とした組織です。

「力のあるオオカミがトップに立ち恐怖と服従の関係で支配する組織形態」

このようにオオカミの群れの関係で例えられています。

順応型組織(アンバー組織)

順応型組織(アンバー組織)は役職により厳格に階層化された組織です。

「明確な組織図が存在しており、旧来型のピラミッド階層の組織形態」

指令系統は上意下達と明確で上の人の命令は絶対。軍隊の組織として例えられています。

達成型組織(オレンジ組織)

達成型組織(オレンジ組織)は成果を出した人が出世する実力主義の組織です。

組織のマネジメント方針は「科学的管理法」と言われているものです

  • 目標管理によるマネジメント
  • 目標を達成するための予算策定
  • 実行する上での裁量権の分配

上層部の目標達成のためだけに働かなければならず、人間なのに組織の生産性を高めるためのパーツつまり、機械のように働くという意味で機械というメタファーが使われています。

このような組織形態ではあくまで成果にフォーカスをした組織運営が行われます。

多元型組織(グリーン組織)

多元型組織(グリーン組織)現場が何をやるべきか判断して行動する組織です。

階層構造はあるがトップダウンによる意思決定プロセスではなく、ボトムアップによる意思決定が行われます。

仕事の成果よりも人間関係の方に価値を高く置き、個人を尊重する文化が特徴です。権限移譲も現場に任せ意思決定の大半を各メンバーに任せていきます。リーダーは部下に寄り添うサーバント・リーダーとしてうまく、ボトムアップできることが求められます。

この組織の例えは「家族」です。父親という役割を担う人は存在していても、個人個人ではあくまでも対等な関係というイメージです。

この組織では人の幸せや感情にフォーカスした組織運営が行われます。

進化型組織(ティール組織)

進化型組織(ティール組織)は社員一人ひとりが自律的に行動する自主経営組織です。
組織の例えは「生命体」です。

ティール組織の段階になると一般的なピラミッド階層は見られなくなってきます。

達成型組織(オレンジ組織)達成型組織では成果にフォーカスをし、多元型組織(グリーン組織)では人の幸せや感情にフォーカスをしてましたが、進化型組織(ティール組織)ではどちらが重要ではなく両方に対してフォーカスをしています。

論理的や感情に左右されず、ひとりひとりがどんな状況下においても相応しい行動や言動を選択できる組織です

ティール組織の組織運営では、各チームが予算を決め、採用や育成等も自律的に行われます。チームのリーダーがマネジメントしなくても、組織の目標、目的実現に向けて各自が取り組むことができることが求められます。

「ティール組織」が備えている3つの特徴(ブレイクスルー)

ティール組織になるための3つの特徴(ブレイクスルー)必要だと提示されています。

  1. エボリューショナリーパーパース (進化する目的)
  2. セルフマネジメント (自主経営)
  3. ホールネス(個人としての全体性の発揮)

この3点が必要とされています。では、詳しく確認していきましょう。

エボリューショナリーパーパース (進化する目的)

「組織は生き続けるために目的も進化していく」という意味でエボリューショナリーパーパース (進化する目的)と表現がされています。

組織がどこに向かっていて、そのために個人が何をすることができるのかを自律的に考え共鳴できている状態になること。意思決定のよりどころがあることが大切であるということが言われています。

そして、組織と個人の共鳴をしている状態を作るためには、一人一人が何のために仕事をしているのか、人生の中でのような役割を果たしたいのかを常に自分に問いかける行為。言い換えると「内省」の習慣が欠かせません。

組織として、個人としてどうありたいかを常に考え共鳴を起こせる状態作ることが必要なんですね。

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セルフマネジメント (自主経営)

組織の目的実現のために、メンバー全員が信頼に基づき、独自のルールや仕組みを工夫しながら組織運営を行う。このことをセルフマネジメント (自主経営)と表現しています。

セルフマネジメント (自主経営)を実現するために必要な3つの要素

  1. 情報の透明化
    パフォーマンスや給料等含めたあらゆる情報の透明化
  2. 意思決定プロセスの権限委譲
    個人の意思決定を尊重しながらも、組織的なフィードバックも届くこと
  3. 人事プロセスの明確化
    採用・退職、給料決定のプロセスが独自に明確化されており、社長や役員等の個人的な権力が及びにくいようにされていること

仲間との関係性の中で一人ひとりが自由に意思決定を行います。
各メンバー同士の関係は対等で話し合いながら組織の成長を目指します。

ホールネス(個人としての全体性の発揮)

個人としての能力を十分に発揮し、組織全体の力になることを目指しす。このことをホールネス(個人としての全体性の発揮)と表現しています。

ホールネスでは個人の長所を最大限発揮できるようにすることが重要視されています。

「ティール組織」を目指すために何をするか

  • 組織の目標のために自分が何ができるのかを定義する
  • 自律的に行動し意思決定するための行動規範を作る
  • 個人の長所にフォーカスした組織運営

ティール組織になるためには上に掲げたようなポイントが必要だと書かれているのですが、実はトップが変化を恐れずにティール組織のマインドを持っていないと到達するのは難しいと書かれています。

つまりトップの立場である人がマインドを磨き続け、ティール組織を運営できるレベルになったときはじめてティール組織になれるともいうことができるかも知れません。

「ティール組織」と「アメーバ経営」

ここまでティール組織についての内容を整理してきましたが、「ティール組織」という言葉は使っていなくても昔からティール組織のマインドで組織運営をしてきた経営者が稲森和夫さんだと思います。

なぜかというと、「ティール組織」に書かれている内容と、稲森さんが提唱している「アメーバ経営」の内容が非常に似ているのです。ここでアメーバ経営の特徴についてみていきたいと思います。

「アメーバ経営」の特徴

  • 全員参加経営の実現
    全社員が目標を達成しようと、当事者意識を持って経営に参加する。
  • 経営者意識を持った人材の育成
    計簿のようにシンプルな収支計算表を用いてアメーバを経営し、計画や管理などの経営業務を任されることで、それぞれのリーダーが経営者としての視点を持つようになる。
  • マーケットに直結した部門別採算制度の確立
    普段は顧客と直接やりとりすることがない立場の社員にも、市場価格や顧客の動向が伝わる。

「全員参加経営の実現」≒「ホールネス(個人としての全体性の発揮)」
「経営者意識を持った人材の育成」≒「セルフマネジメント (自主経営)」

このようにアメーバ経営とティール組織は非常に近いマインドであること感じませんか?

京セラ、KDDI、JAL再建と稲森さんのやり方で持続的な経営ができていることからもティール組織のマインドは決して間違っているものではないように感じますよね。

まとめ

この記事では「ティール組織」の概念と「アメーバ経営」との関係性について考察いたしました。

「ティール組織」に基づいた組織運営に魅力を感じてもらえる人が増えると嬉しく思います。

Appendix(付録)

「ティール組織」「アメーバ経営」について学びが深まる参考ページ

  • 全員参加経営で実現する「強い組織」のつくり方とは? 『マンガでわかる 稲盛和夫のアメーバ経営』
全員参加経営で実現する「強い組織」のつくり方とは? 『マンガでわかる 稲盛和夫のアメーバ経営』 | ダ・ヴィンチWeb
「アメーバ経営」という言葉を聞いたことがあるだろうか? 『マンガでわかる 稲盛和夫のアメーバ経営』(京セラコミュニケーションシステム:監修、綾瀬てる:画/マイナビ出版)では、会社の内部を「アメーバ」に喩えた独立採算の小集団に分けて考える経営手…
  • ティール組織の原点を理解!3つのブレークスルーの実践上の繋がりを解説!
ティール組織の原点を理解!3つのブレークスルーの実践上の繋がりを解説!
日本初のホラクラシー・ワン認定コーチ吉原史郎による、ティール組織の「原点」理解と実務の「方向性」の解説。原書に立ち返り、実務経験も踏まえてお伝えします。

「ティール組織」「アメーバ経営」について学びが深まるおすすめ書籍


ティール組織 ― マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現


[イラスト解説]ティール組織――新しい働き方のスタイル


アメーバ経営 (日本経済新聞出版)

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