「内省って大事だと聞くけど、具体的にはどう進めるの?」と悩んでいませんか?この記事は、悩みや不安を解消したい社会人、成長意欲や学習意欲の高い社会人の皆様に、効果的な内省のプロセス、ORIMDの仕組みについてわかりやすく紹介します。
はじめに
こんにちは。私は悩みや不安を前向きな行動に変える方法を研究する内省の専門家、タカシユウトです。組織論や内省(リフレクション)の研究を深める中で、その知識をウェブサービスの開発やワークショップで実践してきました。
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効果的な内省の手法: ORIDメソッドとその進化「ORIMD」
あなたが日々の悩みや疑問に向き合い、自己成長を目指す中で「具体的にどう自己反省すればいいの?」と思ったことはありませんか?ここでは、ORIDメソッドという実践的な内省フレームワークについて、分かりやすく解説します。
ORIDメソッドの基本とその背景
ORIDメソッドは、事実、感情、解釈、決定の4つのステップを基盤に、内省の深化をサポートする手法として知られています。この手法はICA INTERNATIONALのLaura Spencerさんによって開発され、多くのプロフェッショナルや組織で取り入れられています。
ORIDの4つのステップ
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Objective Question(客観的事実): 何が起きたのか、具体的な事実を確認します。
例)事実は何ですか?何がありましたか? -
Reflective Question(感情・反応): その事実に対して、どのような感情や反応があったかを探ります。
例)どのように感じましたか?どのような反応がありましたか? -
Interpretative Question(解釈・意味): その事実や感情から、どのような解釈や意味を読み取ることができるかを考えます。
例)どのように捉えていますか?どういう意味ですか? -
Decision Question(次の行動): これまでのステップを基に、次に何を行うかの方向性を定めます。
例)次はどうしますか?何を変えますか?
ORIDメソッドの特長は、単に次のアクションを導き出すだけでなく、事実の確認から始め、感情や解釈を深堀りしてから行動に移ることで、より意識的な内省を実現する点にあります。
なお、このフレームワークは台湾のデジタル担当大臣、オードリー・タン氏が参画するプラットフォーム
ORIDからORIMDへ: 内省のプロセスをより深化させる方法
私たちが普段行う内省のプロセス、実はもう一歩深く、細かく考えることができるかもしれません。今回は、一般的に知られているORIDメソッドを、より効果的に使うためのアプローチ「ORIMD」についてご紹介します。
ORIDの「解釈」の限界と新しい取り組み
多くの方が活用するORIDメソッド、その中の「Interpretative Question」には「解釈」と「意味づけ」の2つの要素が含まれていますが、これらは同じステップとして扱われていることが多いです。
私の考えとしては、解釈と意味づけは、実際には異なる思考のプロセスを持つため、区別して考えるべきだと感じています。
具体的には、辞書の定義を参照すると:
- 解釈: 物事や人の行動を自分なりの視点から読み解くプロセス
- 意味づけ: 物事に対して、その意義や価値を見出すプロセス
この2つの定義からも分かる通り、「解釈」は外部の事象を内部で捉え直す思考の流れであり、「意味づけ」は内部の考えや感情から外部への評価や判断を行うプロセスです。
このため、私はORIDの「Interpretative Question」を次のように分けて考えるべきだと提案します:
- Interpretative Question: 解釈を深堀するための質問
- 例)原因は何だと思いますか? どのようにこの事象を見ていますか?
- Meaning Question: 意味づけ、価値判断をするための質問
- 例)この事象はあなたにとってどんな意味がありますか? 何が大事だと感じますか?
これを図で表すとこちらの「ORIMD」の図として示されます。
この「ORIMD」の考え方を取り入れることで、私たちは物事をどのように受け止め、それにどんな意味を持たせるか、という2つの視点からの内省が可能になります。これにより、より詳細で質の高い内省の効果が期待できます。
内省をさらに深める: ORIMD + 視点 + 時間
ORIMDの考え方を取り入れた内省は、非常に有効です。しかしそのままでは、まだ私たちの内省を最大限に引き出すことはできません。
より広い視点での内省
単に自分の思考や感情を探求するだけではなく、私たちの置かれている環境や関わる人々、組織、さらには社会全体との関わりについても考えることが重要だと感じています。これにより、自分が真に成し遂げたいことや、社会への貢献の形が明確になるでしょう。
時間を持ち込む内省
時間、特に過去と未来の視点を持つことで、私たちの経験や展望がより具体的になります。過去の経験や学びを基に感情や解釈をし、それに基づいた意味づけや決断を下すことが、過去からの学習プロセスとして考えられます。
一方、未来からの学習プロセスとは、私たちの目標や願望を明確にし、それを現実のものとするためのアプローチを意味します。未来のビジョンを基に、現在の感情や解釈、意味づけを行い、事実を受け入れるプロセスです。
過去と未来の学習ループ
そして、最も注目すべきは、過去からの学習と未来からの学習という二つのプロセスです。
過去からの学習:過去の出来事を元に、感情、解釈、意味づけ、決定の順に考察していく内省のプロセス。
未来からの学習:未来のビジョンや期待を起点に、決定、感情、解釈、意味づけ、事実という流れで現在を評価・予測する学習のプロセス。
これらのプロセスを繰り返し、ループさせることで、現在の自分を過去の経験や未来の期待と関連付けながら、より深い内省が可能となります。
実際に「ORIMD」を使ってみたいという方へ
私たちが運営しているウェブサービス「リフクラ」を通じて、"ORIMD" のフレームワークに基づいた内省を体験することが可能です。「ORIMD」を使用して自身の内省を深化させたい方、是非ともこの機会に利用してみてください。
▼内省(リフレクション)を支援するウェブサービス「リフクラ」
さらに、「ORIMD」を利用したワークショップもオンラインで提供しています。ウェブサービス「リフクラ」と併せて「ORIMD」に基づく内省の方法を学ぶことができます。興味を持たれた方は、このワークショップに参加してみてください。
▼【オンライン開催】悩みや不安を解消!内省体験ワークショップ
まとめ
記事を通じて、内省の方法として一般的に知られているORIDメソッドをさらに発展させた「ORIMD」について紹介しました。以下、要点を再確認してみます。
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ORIDとは異なり、ORIMDは解釈と意味づけを明確に分ける: 従来のORIDメソッドは「Interpretative Question」の中で解釈と意味づけが一緒になっていましたが、ORIMDではこれを2つの部分に分けて考えます。
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視点と時間の意識: 良い内省のためには、どのような視点から事柄を見るか、またそれをどの時間軸で考えるかが重要であると強調しました。これにより、自分の位置づけや将来のビジョンを明確にすることができます。
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学習ループの考え方: 過去の経験から学ぶ方法と、未来の目標や願望をもとに現在を再評価する方法。この2つの視点を持つことで、より深い内省が可能になります。
最後に、これらのポイントを生かしながら、日常の中での内省を意識的に実践することで、自分自身の理解を深め、成長の機会を増やすことができます。
この記事が、みなさんの内省の参考になれば幸いです。
Appendix(付録)
「内省」について学びが深まるおすすめ参考ページ
- 内省の大切さを知って社会とのつながりの中で前向きに生きよう
- 内省を深めるフレームワークORIMD100の問い
- The ORID Method (Objective, Reflective, Interpretive and Decisional)
「内省」について学びが深まるおすすめ書籍
内省とは何かについて基本的な考えを学ぶのにおすすめの書籍です。経験学習モデルという有名なモデルが有るのですがその理解にも役立ちます。
職場のチームでどのように内省について取り組んでいきたいかを学びたい方におすすめです。
リフレクティブ・マネジャー 一流はつねに内省する (光文社新書)
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