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    オープンソースという選択は、勇気なのか、戦略なのか
    プロダクト開発
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    オープンソースという選択は、勇気なのか、戦略なのか

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    Lovableというサービスを使い始めたのは、つい最近のことです。最初のプロンプトを入力すると、驚くほどデザイン性の高いモックが出てきました。その後も、わりと抽象的な表現で「こういう機能が欲しい」って言っても、ちゃんと意図を汲み取ってくれる。正直ここで、完全にハマりました。

    https://lovable.dev/invite/HN8QQET

    lovable.dev

    使いながらふと気になったのが、このサービス、以前は「GPT Engineer」って名前だったらしいということです。なんで改名したんだろう。GPTって単語を避けたかったのか、それとも他のサービスと差別化したかったのか。そんな軽い気持ちで調べ始めました。

    ただ、調べていくうちに、思ってた以上に話が深くなっていって。創業者のAnton Osikaという人の思想とか、オープンソース戦略の背景とか、「証明したかった」っていう動機とか。これ、単なるサービス名の変更じゃなくて、もっと大きな物語だったんです。

    なんで改名したのか

    まず、なぜ「GPT Engineer」から「Lovable」に変わったのか。

    調べてみると、これは単なる名前変更じゃなくて、目指してる方向が変わったってことらしいです。「GPT Engineer」って名前だと、どうしても開発者向けの実験ツールっぽい印象がある。でも、Lovableが本当に目指しているのは、エンジニアじゃない人も含めて、誰もがソフトウェアを作れるプラットフォームなんです。

    要は、開発者の生産性を上げるツールから、ソフトウェア作成そのものを民主化するプラットフォームへ。その方向転換をはっきりさせるための改名だったみたいです。

    ここまでは、まあよくある成長ストーリーだなと思いました。でも、次に調べたことで、認識が変わりました。

    コードを公開するという選択

    Anton Osikaは、最初にこのプロダクトをオープンソースで公開してるんです。GitHubで52,000以上のスターを獲得した「gpt-engineer」っていうCLIツールです。

    ここで疑問が湧きました。なんでわざわざオープンソースにしたんだろう。

    普通に考えたら、ビジネスロジックを公開するのってリスクじゃないですか。競合に真似される可能性もあるし、技術的な優位性も失うかもしれない。だから多くの企業は、コアの部分はクローズドにしておく。

    でも、Anton Osikaは違った。彼がオープンソースを選んだ理由を調べてみると、いくつか出てきました。

    まず、証明するため。彼のチームのメンバーは「AIなんて今後数年で何も変えない」って考えてたらしいです。だから彼は、「証明したかった」。週末か2週間くらいかけて最初のバージョンを作って、ちゃんと動くってことを見せる。そのために、オープンソースっていう形を選んだ。

    次に、実験しやすいから。gpt-engineerは「実験しやすくて、推論のステップを追加したり修正したりするのが簡単」なツールとして設計されてます。オープンソースコミュニティで一緒に作っていく方が、プロダクトが成長するって考えたんです。

    そして、コミュニティを作るため。オープンソースのCLIツールを先に出すことで、熱心なユーザーを集められた。このコミュニティ主導のやり方が、プロダクトを検証するだけじゃなくて、商用版の成長も後押ししたみたいです。

    知ってることと、できることは違う

    この話を聞いて思ったのは、「知っててもできるかは別問題だな」ってことです。

    オープンソース戦略が有効だってことは、多くの人が知ってます。成功事例もたくさんある。でも、実際にそれを選べるかっていうと、それは別の話です。

    ビジネスロジックを開示することへの怖さ、競合に真似されることへの不安、収益化できなくなるかもっていうリスク。そういうのを乗り越えて、オープンソースっていう選択を取れる人は、やっぱり勇気がある人だと思います。

    ただ、Anton Osikaの場合、それは単なる勇気だけじゃなかったみたいです。もっと深い哲学があった。

    「証明したかった」の意味

    Anton Osikaが「証明したかった」って言ったとき、それは単に技術的な実証だけを意味してたわけじゃないと思うんです。

    信じてくれない人たちに、目に見える形で見せること。見えてる世界が違う人に、実際に見せるしかないってことだと思う。言葉で説明しても伝わらないなら、動くものを見せる。そして、それを誰もが触れる形で公開する。

    これって、端的に言えば視座の違いの問題なのかもしれないけど、でももっと深い哲学がある気がします。

    Anton Osikaは、効果的利他主義(Effective Altruism)っていう考え方を持ってます。「世界に最大のインパクトを与えたい」って願いを持ち続けてて、成功した企業を作って、その利益の大部分を効果的な慈善団体に寄付するのが最適な道だと信じてる。

    彼にとって、Lovableは単なるビジネスじゃなくて、人類の可能性を最大化するための手段なんです。

    CERNを辞めた理由

    Anton Osikaは、もともと物理学者でした。CERNで素粒子物理学の研究をしてたんですが、実世界にもっとインパクトを出したい、具体的な解決策を作りたいっていう気持ちがあって、学術の世界から離れることを決めたらしいです。

    彼がCERNで見たのは、「すごく賢い人たちが、極めて非弾性的な問題に取り組んでる」ってことでした。非弾性的っていうのは、要は、どれだけ投入を増やしても成果が比例して増えないってことです。天才が集まってるのに、どれだけ時間と労力をかけても進展が遅い。

    一方で、産業界には、同じ努力でもっと大きな成果が出せる余地がある。Anton Osikaは、そこに可能性を見出したんです。

    彼は第一原理思考を大事にしてます。物理学のバックグラウンドから、「第一原理から考えることを学ぶ。物理学では、推論が正しい答えにつながるたびに、ドーパミンが報酬として得られる」って語ってます。

    本当にリスクなのか

    ここまで調べてきて、自分が考え直してるのは、「ビジネスロジックの開示って本当にリスクなのか」っていう問いです。

    もちろん、100%リスクじゃないことは知ってます。オープンソースで成長してきたサービスもたくさんある。でも、その選択を知ってても、実際にできるかどうかは別問題です。

    Anton Osikaの選択は、単なる戦略的な判断じゃなくて、彼の思想と切り離せないものでした。効果的利他主義、第一原理思考、実世界へのインパクト重視。こういう思想が、オープンソースっていう選択を可能にしたんだと思います。

    じゃあ、自分はどうするのか。

    この問いに、まだはっきりした答えは出てません。でも、Anton Osikaっていう起業家の在り方を知ったことで、選択肢が広がった気がします。

    ビジネスロジックの開示は、リスクでもあるし、機会でもある。それを選べるかどうかは、勇気だけじゃなくて、思想の問題なのかもしれない。

    そして、信じてもらえない世界を見せようと思えるかどうか。その覚悟が、プロダクトを、そして世界を変えていくんだと思います。


    参考

    この記事を書くにあたって、以下の情報を参考にしました。

    Lovable公式情報

    Anton Osikaのインタビュー・背景

    思想と哲学

    オープンソース戦略

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