コンテンツマップ、聞いたことありますか?
Web制作やマーケティングの文脈で「コンテンツマップ」という言葉を聞いたことがある人は多いと思います。
一般的には、サイト全体の構造を視覚化したもの。「トップ → カテゴリ → 記事」のようなツリー構造で、ナビゲーション設計やサイト設計のために作るものです。
ただ、今回の話は少し違います。
私が作ったのは、記事ごとに「どこに横展開しているか」を一覧化したマッピング表です。
自社ブログが一次情報で、Zennやnoteは再編集した派生版。その関係性を、ひと目で把握できるようにしたものです。
なぜこれが必要になったのか、順を追って書いてみます。
自分のブログだけでは、なかなか届かない
ブログを続けていて感じることがあります。
自分のドメインで記事を書いても、思ったより届きにくい。
検索に乗るまでには時間がかかるし、SNSで告知してもリーチには限界がある。コツコツ続けていればいずれ……という気持ちもありつつ、現実的には時間がかかる。
これは、個人ブログを運営している人なら、多かれ少なかれ感じることではないでしょうか。
その媒体には、すでに人がいる
一方で、Zennやnoteを見ると、同じようなテーマでも読まれている記事がある。
理由はシンプルで、その媒体にすでにユーザーがいるからです。
Zennにはエンジニアがいる。noteにはキャリアや働き方に関心を持つ人がいる。プラットフォーム自体にドメインの強さがある。
だったら、自分のブログに書いた内容を、そちらにも届ける形にすればいいのではないか。
そう考えるようになりました。
転載ではなく、翻訳する
ただ、同じ記事をそのままコピーするのは良くない。
SEOについて調べていく中で、重複コンテンツの問題があることを知りました。同じ内容が複数のURLに存在すると、Googleがどれを検索結果に表示すべきか判断しづらくなる。最悪の場合、意図しないURLが上位に表示されたり、どちらの評価も分散してしまう可能性がある。
対策としてcanonicalタグを設定する方法もあります(「このページのオリジナルはこっちのURLです」とGoogleに伝えるHTMLタグ)。ただ、これだけだと「同じ内容がある」という状態は変わらない。そもそも内容を再編集して差別化した方が、各プラットフォームの読者にも届きやすくなる。
転載ではなく、翻訳するという考え方に行き着きました。
自分のブログを一次情報の置き場所として、各プラットフォームの読者層に合わせて再編集する。
たとえば、同じ「ブログをLovableで作った話」でも、Zenn向けには技術的な実装の詳細を中心に、note向けにはツール選択の判断基準やキャリア的な視点を中心に。切り口を変えることで、それぞれの読者に刺さる形になる。
こうすれば、重複の問題を避けつつ、それぞれの媒体のユーザーにも届けられる。
AIライティングで、現実的になった
とはいえ、この「再編集」は手間がかかります。
1本の記事を書くだけでも時間がかかるのに、それをZenn用、note用、英語用……と書き分けるのは、なかなか現実的ではありませんでした。
ただ最近、AIライティングのレベルがかなり上がってきました。
自分のブログ記事をベースにして、「Zenn向けに技術的な詳細を強調して調整して」と依頼すれば、数分でたたき台ができる。あとは自分でトーンや細部を整えるだけ。
手作業では1記事あたり数時間かかっていた再編集が、30分程度で済むようになった。
この変化が、「ちゃんと運用しよう」と思えたきっかけでした。
横展開すると、管理が複雑になる
ただ、横展開を始めると、別の課題が出てきます。
記事が増えてくると、どれが本家で、どこに展開済みなのかが把握しづらくなる。
- この記事、自社ブログにもあったか?
- Zennに出したものは最新か?
- 修正するならどこを直せばいい?
運用が進むほど、こうした混乱が起きやすくなる。これは避けたいと思いました。
だからコンテンツマップを作った
そこで、冒頭に書いたコンテンツマップページを作ることにしました。
記事タイトルと展開先URLをマッピングした表を、自社ブログ上に置く。ただのリンク集ではなく、一次情報と派生の関係性が一覧で分かる形です。
実際に作ったコンテンツマップは、こちらから見ることができます。
加えて、「自社ブログが一次情報で、他は再編集版」という説明も言葉で添えておく。
そうすることで、自分自身が迷わないだけでなく、初めて訪れた人にも構造が伝わる。検索エンジンに対しても、どこがオリジナルかを明確にできる。
SEO的にも、内部リンクが整理されたサイトはクローラーが巡回しやすくなり、インデックスが促進されると言われている。自社ブログを「情報の中心地」として明確にすることで、検索エンジンにも構造が伝わりやすくなる。
WordPressからLovableへ移行した話
実は以前、このブログはWordPressで運営していました。
WordPressは多くの人に使われているし、情報も豊富です。ただ、使っているうちに限界を感じるようになりました。
やりたいことを柔軟に実現できない。
「こういう機能が欲しい」と思っても、プラグインを探して、設定を調整して、それでも思い通りにならなくて……という繰り返し。ちょっとしたことに時間がかかる。
そこで、思い切ってLovableに移行することにしました。
5年間で蓄積した100記事を、URL構造から見直す形で刷新する。SEOのリスクを考えると勇気がいる決断でしたが、「3年スパンで見ればほぼ確実に損しない」という判断に至りました。
移行の詳細については、別の記事で書いています。
WordPressからLovableへのブログ移行:5年・100記事を2日で刷新した話
道具が思考速度に追いつくかどうか
Lovableに移行して良かったと実感したのが、まさにこのコンテンツマップページを作ったときでした。
「こういうページが欲しい」と伝えたら、記事と展開先のマッピング表を数分で作ってくれた。デザインもレイアウトも、思い描いた通りに。
WordPressのままだったら、プラグインを探して、PHPをいじって、CSSを調整して……と考えただけで、「まあ後でいいか」となっていたはずです。
道具が思考速度に追いつくかどうかで、実現するアイデアの数が全然違う。
というより、道具の制約が思考を制限している、と言った方が正確かもしれません。「できないこと」を前提に考えるようになってしまう。
まとめ
- 自分のブログだけでは、届く範囲に限界がある
- Zennやnoteには、すでにユーザーがいる
- 転載ではなく、読者に合わせて再編集する
- AIライティングで、再編集が現実的になった
- 横展開すると管理が複雑になるから、コンテンツマップで整理する
- WordPressからLovableへの移行で、柔軟な実装が可能になった
- 道具が思考速度に追いつくと、後回しにしなくなる