工数管理ツール、タスクトラッキングツール。世の中にはたくさんありますよね。
でも正直なところ、「これだ」と思えるものに出会ったことがないんです。
理由は単純で、どのツールも「入力する」という行為を前提にしているから。
その入力が一番面倒なんですよね。
タスクシュートの思想は好き、でも続かない
タスクシュートの考え方自体は素晴らしいと思っています。実績ベースで見積もり精度を上げる。ログを取ることで自己認識が変わる。理屈としては完全に正しい。
でも、実際にやってみると、どうしても続かなかったんですよね。
仮に1タスク切り替えごとに30秒かかるとして、1日50回切り替えたら25分。それに加えて「あれ、さっき何やってたっけ」と思い出す認知負荷も乗ってくる。
時間を大切にするために時間を使う。
なんというか、この構造的な矛盾に自分は馴染めなかったんです。
タスクシュートを長く続けている方は、きっと記録すること自体に楽しさを感じられるんだと思います。自分にはその感覚がなかったので、別の方法を探すことにしました。
じゃあ自動トラッキングはどうか
入力が苦手なら、自動で記録してくれるツールを使えばいいんじゃないか。そう思って調べてみました。
RescueTimeやTiming(Mac向け) は、バックグラウンドでアプリやウェブサイトの使用時間を自動記録してくれます。TimelyにはMemory機能があって、AIが作業を自動分類してくれたりもする。
一見、理想に近い感じがしました。
でも調べていくうちに、いくつかの壁が見えてきたんです。
壁その1:「何のアプリを使ったか」と「何のために使ったか」は違う
自動トラッキングツールが取れるのは「痕跡」なんですよね。どのアプリを何分使ったか。どのサイトを見ていたか。
でも、同じChromeを使っていても、調べ物をしていたのか、SNSを眺めていたのか、仕事のドキュメントを読んでいたのか、それは記録されない。
作業の「意図」や「文脈」は、本人にしかわからない。ここが自動化の限界なんだなと感じました。
壁その2:離席とツール実行中の問題
RescueTimeはキーボードやマウスの入力を監視していて、一定時間操作がないと「アイドル」扱いになります。だから、PCをつけっぱなしで3時間離席しても、3時間作業したことにはならない。ここはよくできてるなと思いました。
でも、「ビルドを走らせて待っている」とか「ログを眺めている」はどうなるんだろう。
画面を見ているけど操作していない。これは作業なのか、離席なのか。ツールには判定できないんですよね。
「考え事をしていた」に至っては、もう完全に捕捉できない領域です。
壁その3:複数ウィンドウの問題
これが地味に痛かったんですよね。
複数ブラウザ、複数タブを開いていても、記録されるのは「今フォーカスがあるウィンドウ」だけ。左のモニターでドキュメントを読みながら、右でコードを書く。よくある作業スタイルだと思うんですが、記録されるのは操作している方だけなんです。
実際には「ドキュメントを読む時間」と「コードを書く時間」が半々だったとしても、ログ上は「コードを書いていた」だけになる。
マルチタスクの実態は、現状どのツールでも記録できないみたいです。
壁その4:iPhoneとの統合ができない
自分の環境はWindowsとiPhoneです。
WindowsにはRescueTimeが入れられます。これは問題ない。
でもiPhoneは、Appleがバックグラウンドでのアプリ監視を許可していないので、RescueTimeはほとんど機能しないんですよね。Apple純正の「スクリーンタイム」しかまともに動かない。
しかもスクリーンタイムは外部連携できないから、PCのログと統合できない。
2つの世界が分断されてしまう。
PCの使用状況はRescueTimeで見る。iPhoneはスクリーンタイムを手動で開いて見る。統合ビューは諦める。これが現実でした。
結局、他の人はどうしてるんだろう
ここまで調べて、ふと思ったんです。この問題を解決したい人ってたくさんいるはず。他の人はどうやって解決してるんだろう、と。
いろいろ調べてみたんですが、完全に解決している人はほとんどいないというのが正直な印象でした。
多くの人は、そもそもそこまで細かく把握しようとしていない。「なんとなく忙しかった」で終わらせている。
タスクシュートやNotionを使って記録を続けている方もいますが、長く続いている方は少数派のようです。
経営者やマネージャー層は、秘書やアシスタントが記録を代行してくれることもある。
エンジニアは、Gitやコミット履歴で「何を作ったか」を把握している。でもそれ以外の時間は追っていない。
入力ゼロで完璧なログを取っている人は、結局見つけられませんでした。
妥協点を決める
ここで一度、考え方を切り替えることにしました。
完璧は難しい。じゃあ、何を妥協して、どこを取るか。
自分の場合、どうしても譲れないのは「入力ゼロ」。目的は「時間の使い方を把握したい」。環境はWindowsとiPhone。
この条件で考えると、RescueTime(無料版)を入れて、週1でダッシュボードを眺める。これが現実的な落とし所かなと思いました。
妥協するのは以下の点です。
- iPhoneとの統合は諦める。PCが主戦場ならそれでいい。
- 「何のために」は諦める。「何のアプリを使ったか」で代用する。
- 完璧な精度は諦める。傾向がわかればOKとする。
- タスク単位の把握は諦める。カテゴリ単位で十分とする。
期待値は「今週、仕事っぽいことに何時間使って、どのくらいダラダラしてたか」がわかること。それ以上は求めない。
「入力ゼロ」を貫くなら、何かを手放す
正直、ここまで調べて思ったのは、中途半端なデータを見てモヤモヤするくらいなら、何も使わない方がいいのかもなぁ、ということでした。
でも、「傾向だけ見る」と割り切れるなら、RescueTimeは悪くない気がしています。設定不要で、入れたら勝手に動く。自動でカテゴリ分類してくれる。無料版で十分。
まずは1週間くらい試してみようかなぁ。それで足りなければ、また考えればいいかなと。
完璧な工数管理を求めるなら、入力の手間は受け入れるしかない。入力ゼロを貫くなら、完璧は手放す。今現在の着地点としては結局そこなんだろうなと思っています。
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