上司と部下の対話における Goodパターン、Badパターンとは?

内省

この記事では内省を促す対話の例について紹介します。 マネジャーの皆さんはチームメンバーと対話するときにどのような会話を心掛けていますか?会話の中で相手の内省を促すためにはどのようなことを意識する必要があるのかヒントになるような材料を提供できればと思っています。

はじめに

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内省を促す対話ってどんなもの?

内省を促す対話をするためにはどんな事を心掛ける必要があるのか?今回は3点ほど対話の例を用いながら説明を加えていきたいと思います。BadパターンGoodパターンに分けて会話を見ていきたいと思います。

登場人物田中部長:佐藤課長の上司、内省を促す人 佐藤課長: 田中部長の部下、対話の主人公

対話例① 関心を示す

一つ目のポイントは相手に関心をもって対話をすることです。

まず、こちらを見てください。

Bad パターン

田中部長 佐藤課長
仕事は順調に進んでいますか?
数字が合わなくて困っています。
計算のやり方に問題があるのかもしれません。
わかりました。
作業を続けて今日中に仕上げてください。

次にこちらを見てください。

Good パターン

田中部長 佐藤課長
仕事は順調に進んでいますか?
数字が合わなくて困っています。
計算のやり方に問題があるのかもしれません。
なるほど。
今日が期限となっていますが、何かサポートした方がいいことはありますか?

どうでしょうか?Goodパターンの方は田中部長は佐藤課長に関心をもって何か手伝えることがないかと意見を求めています。これによって佐藤課長は自分の頭で考えを巡らせるきっかけが生まれました。

対話例② 相手に主導させる

次のポイントは相手に話を主導させるという視点です。

Bad パターン

田中部長 佐藤課長
チームリーダーの仕事が難しく悩んでいます。
たくさんの指示を出していますがメンバーに多くを要求しすぎている気がします。
それはそういうものだと、割り切るしかないですね。
チームの雰囲気は常に期限に追われているような状態で余裕がありません。
メンバーの状況を確認するためにランチミーティングをするとかはどうですか?
進捗確認の場を夕方に設けてもいいかもしれません。
わかりました。やってみます。

Good パターン

田中部長 佐藤課長
チームリーダーの仕事が難しく悩んでいます。
たくさんの指示を出していますがメンバーに多くを要求しすぎている気がします。
なるほど。チームの雰囲気はどのような状態ですか?
チームの雰囲気は常に期限に追われているような状態で余裕がありません。
なるほど。今どのような事が問題だと思いますか?
チームの連携を心掛けたいと思っているのですが、人によって自分の担当業務だけに固執してしまって協力関係を築けていない人がいます。
その人の姿勢を変えてあげたらうまく進みそうですか?
そうかもしれません。ですが、どのように接していいのかよくわからないのです。
まずは、その方がどのように思っているのか聞いてみたらどうですか?
確かに聞いてみてもいいと思うのですが、変化に繋がるかわかりません。
考えを理解したうえで進めるのと、このまま進めるのどちらがいいですか?
[... 沈黙 ...] ちゃんと確認してから判断したいです。

Badパターンの方は田中部長が佐藤課長の問題解決を主導してしまっています。一方Goodパターンの田中部長は佐藤課長が次の行動を引き出せるように問いを投げかけながら誘導しています。ですが、アイデアを一方的に伝えるということはせず、自ら判断できるようなサポートをしています。これがここでのポイントです。また、沈黙が最後の問いで起きているのがわかると思います。このような瞬間はまさに内省が促されている場面です。

対話例③ その人の全体を見る

3つ目のポイントはその人全体を見るということです。仕事の中の出来事だけじゃなくプライベートな部分の背景も理解を示しつつ介入をしていきましょう。

Bad パターン

田中部長 佐藤課長
子供が生まれてから、毎日忙しくなりました。
最初のうちは大変ですよね。
最近は睡眠時間が十分に取れず仕事にも影響が出ています。
仕事が一段落したら数日間休暇を取ったらどうですか?

Good パターン

田中部長 佐藤課長
子供が生まれてから、毎日忙しくなりました。
最初のうちは大変ですよね。どんな事に困っていますか?
最近は睡眠時間が十分に取れず仕事にも影響が出ています。
なるほど、どのようなサポートが必要ですか?
斎藤さんと仕事を分担できればと思っています。そうすれば、だいぶ気持ちが楽になります。

Good パターンの対話では田中部長は相手立場に共感をしながら、俯瞰的に状況をとらえてどのような解決策が取れるのかを相手に問いています。ここでも主導権はあくまで佐藤課長にあるという状況を残しながら会話を進めています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は内省を促す対話について具体的な例を用いながら説明しました。

対話の例で用いたポイントは次の3点です。

  1. 関心を示す
  2. 相手に主導させる
  3. その人の全体を見る

Appendix(付録)

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